[4月1日更新]
解説員オーディション表彰式を開催しました!
去る3月26日、歌舞伎座内にて、イヤホンガイド解説員オーディションの表彰式をおこないました。
優秀賞および入選のくまどりん賞を受賞した皆さん、審査員を務めた塚田圭一解説員、西形節子解説員、そして特別審査員を務めてくださった中村梅玉丈もご出席くださいました。
イヤホンガイド40周年記念イベントの一環で実施された今回のオーディション。これからのイヤホンガイドを一緒に作っていくことになる受賞者の皆さんへの期待を込めて、まずはイヤホンガイド代表取締役の久門隆からご挨拶。そして、特別審査員の梅玉丈から受賞者の皆さんに賞状をお渡しいただきました。
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賞状授与の様子 |
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梅玉丈からは、「40年前にイヤホンガイドというサービスを始めると聞いたときは、歌舞伎俳優たちの間では『そんなものは必要ないんじゃないか?』という声が多かった。今になってみると、イヤホンガイドは歌舞伎の普及に大きな役割を果たしていると身に沁みてわかるようになりました。今回のオーディション応募者の多さに、それだけ歌舞伎や文楽が本当に好きで熱心に研究なさっている方が多いということを頼もしく感じました。これからも歌舞伎の普及のために、私たち俳優も皆さんと一緒に力を合わせてがんばっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。」とお言葉を頂戴し、受賞者の皆さんと一緒にその場にいたスタッフも背筋がピンと伸びました。 |
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文楽部門の特別審査員を務めてくださった桐竹勘十郎さんはパリで公演のためご欠席でしたが、受賞者の皆さん宛てにビデオレターをくださいました。

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勘十郎さんのビデオレターを上映! |
勘十郎さんからは、「応募原稿を読んだり音声を聞いて、文楽への想いを非常に感じましたし、よく調べているなというのが伝わってきました。イヤホンガイドは耳から入る情報ですので、音声のほうも重要だと思いましたので、そのあたりも重点的にみて審査させていただきました。歌舞伎や文楽をより楽しくご覧になる一助としてイヤホンガイドは大変効果的だと思います。皆さんそれぞれ今後は解説員として頑張ってください。」とのメッセージを頂きました。また、ビデオレターの最後には、イヤホンガイド公式キャラクターくまどりんのぬいぐるみを勘十郎さんが遣ってくださるというサービスまで…!勘十郎さん、ありがとうございます。このビデオ映像、お宝映像になりました。

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くまどりん賞の皆さんには、賞としてくまどりんグッズ詰め合わせ
(クリアファイル、手拭い、キーホルダー)も贈られました。 |
受賞者の皆さんからもそれぞれコメントをいただきましたので、ご紹介します。
■中川美奈子さん(優秀賞・歌舞伎部門)
「まさか優秀賞を頂けるとは夢にも思わずに応募いたしました。十代はじめから、とにかく着物や日本髪など日本の古い美しいものがとても好きで、祖母にねだって歌舞伎座に連れて来てもらったのが観初めです。以来、海外生活や子育てを挟みながらも、歌舞伎を観続けて参りました。最近になって、『歌舞伎を観に行ってみたいんだけど、一緒に連れて行って』と友人たちから声をかけられることも多くなった時に、ちょうどオーディションの告知を見つけて、私にも何かお手伝いできることがあるかもしれないと思って応募いたしました。美しい歌舞伎を、美しい日本語でお伝えするということを心がけてまいりたいと思っております。」
■松澤綾子さん(優秀賞・文楽部門)
「この度は、このような素晴らしい賞に私を選んでくださって、ありがとうございます。あまりにも嬉しくて、今日は大阪から出てまいりました。私は、文楽の物語の中に出てくる女々しい男と破天荒な生き方をする不器用な女がとても好きです。なぜなら、彼らの生き方に生々しい人間の“リアル”を感じるからです。ひとりでも多くのお客様に、このリアルをお伝えできるように努力したいです。また、初めて文楽を鑑賞されるお客様が決して物語の世界から迷子にならないように、わかりやすく伝えていきたいです。これからもこの賞に恥じることなく精進したいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。 」
■齋藤智子さん(くまどりん賞)
「イヤホンガイド無しでは歌舞伎を観たことがないというくらいのイヤホンガイド利用者でした。これからは使わせていただく側からご案内する側になるということで、歌舞伎の世界へのパスポートをいただいたように思っています。しかしまだパスポートをいただいただけであって、そこから何をするかというのは私次第だと思っております。ひとりでも歌舞伎のファンを増やしたいという気持ちで、わかりやすい解説を目指していきたいと思います。」
■すぎはらちゅんさん(くまどりん賞)
「イヤホンガイド創設から40年間大変なご苦労もあったと伺いましたが、ここまで発展させてきた先達の方々に心から敬意を表しますと共に、その節目に夢を叶えるチャンスを頂き深く感謝申し上げます。大好きなくまどりんの賞を頂き大変嬉しく存じます。観劇歴も浅く、知識も十分ではありませんが、努力を惜しまずたくさん勉強して成長できるようがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。」
■三浦広平さん(くまどりん賞)
「くまどりん賞というかわいらしい名前の賞を頂き嬉しい限りですが、優秀賞ではなく入選ということで、学校の入学試験でいえば、とりあえず合格はさせるけれども、まだまだだから、これからがんばりなさいよということだと思いますので、身の引き締まるところでございます。実際に解説員となることが本当のスタート、第一歩でありますので、先輩方はもちろん、本日一緒に受賞した同期の皆さんにもご指導ご鞭撻を頂きながら、精進を続けます。歌舞伎を観にいらしたお客様が、難しくなんかない、面白いなあと、二回・三回・四回とどんどん足をお運びくださる、そのお手伝いができるように力をつけていきたいです。 」
受賞者の皆さんの熱い想い、これから解説員を目指してがんばっていこうという決意のことばを聞くことができました。
なお、今回ご欠席だった山野下真実さん(くまどりん賞受賞)からも、お手紙をいただきました。
「このたびは出産のため、授賞式を欠席することになり申しわけございません。今回くまどりん賞をいただき大変光栄に思っております。その反面、審査は難航したとのことで、まだまだ知識も浅く拙い部分も多い中で、私を選んでいただいたことに大変恐縮しております。今後は歌舞伎を含め、さまざまなことに興味を持つことで知識の幅を広げ、生の歌舞伎のすばらしさを伝えていけたらと思っております。
なお私事で恐縮ですが、3月18日に無事3400グラムの女の子を出産することができました。女の子なので歌舞伎の役者にはなれませんが、歌舞伎・文楽などの伝統文化が好きな子に育ってくれたらと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。」
山野下さん、お子様ご誕生おめでとうございます。賞状と副賞のくまどりんグッズはご自宅にお送りします。
オーディションで審査にあたった塚田圭一解説員からは、
「私は6歳くらいから歌舞伎を観ていた歌舞伎ファン。ちょうど40年前に、当時の社長に声を掛けられて、歌舞伎を語れる仲間が増えてくれるといいなという思いで、そのために力になりたいと思って始めた。お客さんが、また歌舞伎に来ようと思ってくれることが重要なので、お勉強を教えるというのではなく、お隣で一緒に歌舞伎を楽しむような感覚でというのを心がけてやっている。これからは今日受賞された皆さんのような解説員の仲間が増えたわけですから、一緒に歌舞伎を盛り上げていきましょう。」
と激励のことば。
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西形節子解説員からも、
「最初は、どうやって解説を作ったらいいのかわからないところから始めて、40年も経って今日になってしまいました。試行錯誤を繰り返しながら、だんだんに角が取れてできあがってくるものです。いちばん大事なのは、皆さんが歌舞伎や文楽を愛してくださること。しゃべりには心が出てきますから。河竹黙阿彌が作劇をする上で“三親切”というのを言っていますが、『座元(劇場)に親切、役者に親切、そしてお客様に親切』ということ。イヤホンガイドにも当てはまると思います。私も試行錯誤しながら続けてきましたが、皆さんもそれぞれの個性を活かして、愛を持って、解説を作ってください。」
と素敵なアドバイスがありました。 |
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受賞者の皆さんは、これから解説員としてデビューへの道を歩んでいくことになります。
今後とも末永くお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

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歌舞伎座の前でも、パシャリ! |
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[3月10日更新]
オーディション 結果速報!!
イヤホンガイド解説員オーディション、すべての審査が終了し、
受賞者が決まりました。
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最優秀賞
該当者なし
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優秀賞 2名
歌舞伎部門:中川美奈子さん(「鏡獅子」)
文楽部門:松澤綾子さん(「冥途の飛脚」)
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くまどりん賞(入選) 4名
齋藤智子さん(「俊寛」) すぎはらちゅん さん(「俊寛」)
三浦広平さん(「俊寛」) 山野下真実さん(「鏡獅子」) |
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審議の結果、【くまどりん賞】という新たな賞が設けられました。
受賞された皆さんが、歌舞伎・文楽ナビゲーターとして活躍されるのを、どうぞ楽しみにお待ちください。
惜しくも受賞に至らなかった応募者の皆様も、熱意が伝わる方々ばかりで、とくに最終審査はかなり難航しました。審査チーム一同、今後のイヤホンガイド解説のあり方についても改めて考える機会となりました。
多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
なお、今回のオーディションの表彰式を3月末におこなう予定です。表彰式の模様もWEBサイトでお伝えします。
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[1月7日更新]
オーディション第二次審査が終了しました
第二次審査の結果を、12月末にメールでお送りしました。
オーディション応募者で通知メールを受け取っていない方は、オーディション係までお問い合わせください。
ご提出いただいた原稿は力作揃いで、こちらの審査にも自然と熱が入りました。
次回は第三次ナレーション審査です。 二次審査通過者の皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
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[10月23日更新]
オーディション第一次審査が終了しました
第一次審査の結果をメールでお送りしました。
オーディション応募者で通知メールを受け取っていない方は、オーディション係までお問い合わせください。
皆様から提出いただいた課題作文は、歌舞伎または文楽の魅力について語っていただくというテーマでしたが、審査チーム一同、皆様の熱い想いが伝わる内容に大変感動しながら、また、個性あふれる内容を大変楽しみながら、読ませていただきました。
第二次審査はいよいよ実際に「解説原稿」を執筆していただきます。原稿到着を楽しみにお待ちしております。
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