今月の観どころ・聴きどころ

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今月上演される演目のみどころをイヤホン解説員がコメントします。
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歌舞伎座 国立劇場 国立文楽劇場 新橋演舞場 浅草公会堂 大阪松竹座
 歌舞伎座
 二代目松本白鸚 十代目松本幸四郎 八代目市川染五郎 襲名披露
 壽 初春大歌舞伎 1月2日(火)~26日(金)
  演目 解説者 開演 終演 幕間
昼の部 箱根霊験誓仇討 おくだ健太郎 11:00 12:10 30 
七福神 酒井孝子 12:40 12:57 20 
菅原伝授手習鑑
車引
すぎはらちゅん 1:17 1:47 15 
菅原伝授手習鑑
寺子屋
園田栄治 2:02 3:27  
夜の部 双蝶々曲輪日記
角力場
奥山久美子 4:30 5:22 25 
襲名披露 口上 髙木美智子 5:47 6:12 30 
勧進帳 6:42 7:55 15 
相生獅子
三人形
青木房枝 8:10 8:55  
* 5日昼の部は貸し切り(幕見席は営業)。
* タイムテーブルは予告なく変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
 観どころ・聴きどころ

双蝶々曲輪日記(奥山久美子)
「角力」「相撲」どちらも「すもう」と読みます。角の字には動物の角(つの)を連想させることから、競う、争うなどの意味があるそうです。相の字はお互いに関係し合うということ、撲の字には、打つ、倒すなどの意味があります。角力は力を競う、相撲は相手のことをよく見ながら勝負をつける、ということを連想させます。大正14年に財団法人大日本相撲協会(現在の公益財団法人日本相撲協会)が設立され、それから相撲の字が定着したようです。このお芝居は、関取の濡髪と素人相撲の放駒の対戦を通して、それぞれの人間模様が描き出されています。江戸時代の現代劇だった世話物のお芝居を襲名興行ならではの豪華な俳優陣でお楽しみ下さい。

相生獅子・三人形(青木房枝)
『相生獅子』と『三人形』。長唄と常磐津の舞踊2曲。
『相生獅子』は、歌舞伎の石橋物(しゃっきょうもの)の踊りの中で一番古い曲です。歌舞伎では能の「石橋」を元に出来た獅子の踊りを「石橋物」と呼んでおります。今から283年ほど昔の享保19年(八代将軍吉宗の頃)、当時の人気役者・初代瀬川菊之丞が石橋の獅子の力強さと牡丹の花の華やかさを女形の芸で見せようといたしました。当時、舞踊は女形だけが踊ると決められていたため、のちに立役も踊るようになった石橋物とは演出が大分違っております。裾を引きずったまま、獅子の狂いを踊るこの女形の獅子は、そのなまめかしさ、妖艶さが見どころになっています。曲も長唄の母体になった地唄の古風な味が残っています。

『三人形』は、人形に見立てた三人の人物、丹前武士の若衆、そのお供をする伊達奴、そして元禄時代の傾城が花の吉原仲之町を背景にして、爛熟した江戸吉原の風俗を土佐絵風の極彩色の華やかさで見せた作品です。文政元年(1818年)に江戸の中村座の弥生狂言に初演された三変化舞踊の一曲。丹前六法を振る丹前武士、足拍子を踏みながら闊達自在な動きを見せる供の奴や、華やかな傾城のくどき、最後に仙台の民謡・さんさしぐれの三人の手踊りで〆るという丹前物の復活のさきがけになった曲です。

 国立劇場 初春歌舞伎公演 1月3日(水)~27日(土)

演目 解説者 開演 終演 幕間
世界花小栗判官
発端・序幕
竹内道敬 タイムテーブルのご案内
世界花小栗判官
二幕目・三幕目・大詰
鈴木多美
* タイムテーブルは予告なく変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
 観どころ・聴きどころ

 国立文楽劇場 初春文楽公演 1月3日(水)~25日(木)
  演目 解説者 開演 終演 幕間
第一部 花競四季寿 万才・鷺娘 渡辺まり タイムテーブルの
ご案内
平家女護島 松下かほる
八代目竹本綱太夫
五十回忌追善
六代目竹本織太夫
襲名披露口上
高木秀樹
摂州合邦辻
第二部 良弁杉由来 高木秀樹
傾城恋飛脚 新口村の段 渡辺まり
* タイムテーブルは予告なく変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
 観どころ・聴きどころ

平家女護島(松下かほる)
平清盛が権力にまかせ人々を苦しめた時代にその被害を蒙った者達のことを描いた作品。「平家物語」や能の「俊寛」、更に平家討伐のために俊寛らが鹿ヶ谷の山荘で密かに開いた「鹿ヶ谷の謀議」が露見し、彼等三人が流刑となった史実をも加えて書かれている。

流刑になった三人は、配所で厳しい暮らしを強いられていたが、或る日、突然、御赦免になり迎えの船がやって来た。しかし、ある事情から俊寬だけが島に残されることになる。仲間と別れ、遠ざかって行く船を一人見送る俊寬の心境が最高の見どころ聴き所。近松門左衛門の美しい浄瑠璃の文章が俊寬の心の内を切々と描いて行く。俊寬を遣う吉田玉男の演技にもご注目を。そして、人間国宝の吉田簑助の繊細な表現も存分にご堪能いただきたい。

口上(高木秀樹)

昭和を代表する太夫の一人だった八代目竹本綱太夫。近松門左衛門の作など古典の埋もれた名曲を数多く復活させた文楽界の功労者で今年が五十回忌に当たります。
子息で太夫陣のトップ豊竹咲太夫が父・八代目綱太夫の思い出を語り、また同時に咲太夫の門弟・豊竹咲甫太夫が綱太夫の「前名」竹本織太夫の名跡を六代目として襲名するお披露目をします。
「口上」と言えば先輩諸氏がズラッと並ぶのが通例。しかし今回はちょっと趣が異なります。さてどのような形になるのか、お楽しみに。

摂州合邦辻(高木秀樹)
八代目竹本綱太夫の追善として豊竹咲太夫が、そして襲名披露として新・竹本織太夫が語ります。ヒロイン玉手御前の語りはもちろん大切ですが、泣かせる、ぐっとくるのは父親の合邦や母親の語り。
咲太夫のところでは不義の娘に怒る父親の「青砥」と呼ばれる場面の激しさ。新織太夫の後半では娘の真実の姿を知り「オイヤイ」と号泣する父。師匠の咲太夫と弟子の織太夫。二人の表現の違いを味わうのも楽しみです。

良弁杉由来(高木秀樹)
東大寺二月堂前に聳える杉の大木、これが「良弁杉」で良弁という尊いお坊様の名前に由来します。幼い時、鷲に連れ去られ、木の上で餌食にされようとしたところを救われました。良弁の母・渚の方は幼子をさらわれてから三十年もの間、我が子を探し続けました。そしてついにめぐり会い親子は劇的な再会を果たします。
筋をバラシてしまいましたがお話は単純。これは芸を楽しむ物語。「桜の宮物狂い」では正気を失っていた渚の方(人形~吉田和生)が正気に帰る一瞬、そこが通好みの見どころ。

 新橋演舞場 初春歌舞伎公演 1月3日(水)~26日(金)
  演目 解説者 開演 終演 幕間
Aプロ 天竺徳兵衛韓噺
序幕
櫻井真帆 11:00 11:55 15
天竺徳兵衛韓噺
二幕目・大詰
12:10 1:05 15
寿初春 口上 横出葵 1:20 1:30 30
鎌倉八幡宮 静の法楽舞 2:00 3:00  
Bプロ 日本むかし話
竜宮物語
桃太郎鬼ヶ島外伝
横阪有香 4:30 5:50 30
日本むかし話
疾風如白狗怒涛之花咲翁物語。
6:20 7:25 25
日本むかし話
一寸法師
かぐや姫
7:50 8:45  
* 15日(月)、16日(火)、26日(金)はAプロのみ。
* 18日(木)Bプロは貸し切り。
* タイムテーブルは予告なく変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
 観どころ・聴きどころ
天竺徳兵衛韓噺(櫻井真帆)
天竺(インド)帰りの主人公が蝦蟇の妖術を駆使して日本を乗っ取ろうと企てる、壮大なスケールの物語です。初演以来、画期的な演出で評判をとってきた作品なので、巨大な蝦蟇の仕掛け、早替わり、つづら抜けの宙乗りなど、シンプルに見て楽しめる要素が盛りだくさんです。長台詞で聞かせる徳兵衛の異国噺(いこくばなし)には時事ネタも盛り込まれますのでお楽しみに♪

 浅草公会堂 新春浅草歌舞伎 1月2日(火)~26日(金)
  演目 解説者 開演 終演 幕間
第1部 お年玉〈年始ご挨拶〉 11:00 11:10
義経千本桜 鳥居前 吉崎典子 11:10 11:55 30 
元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿 齋藤智子 12:25 2:15  
第2部 お年玉〈年始ご挨拶〉 3:00 3:10
操り三番叟 濱口久仁子 3:10 3:40 20 
引窓 三浦広平 4:00 5:20 25 
京人形 阿部さとみ 5:45 6:15  
* 8日 第1部は休演。
* タイムテーブルは予告なく変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
 観どころ・聴きどころ

元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿(齋藤智子)
このお芝居は、皆さんご存知忠臣蔵物のひとつでありながら、忠臣蔵のメインキャラクターである浅野内匠頭も大石内蔵助も吉良上野介も登場しません。それでいながら忠臣蔵の精神がいきいきと見える、洒落たつくりの新歌舞伎です。
この豪腕脚本を書いたのは真山青果。三島由紀夫が手放しで絶賛する大正昭和を代表する劇作家です。代表作「元禄忠臣蔵」のなかでも今回上演される「御浜御殿綱豊卿」は、とくに人気のある出し物です。
お芝居の舞台は松の廊下の刃傷事件から1年が過ぎたのどかな春の一日。殿様と浪人が赤穂浪士の仇討ちを巡って言葉の火花を散らすという筋立ては心理サスペンスでもあり、男と男のガチバトルであり、反面、身分を超えた友情ものともいえます。とにかく、熱いです。
今回の浅草歌舞伎で殿様・徳川綱豊を演じるのが尾上松也丈、浪人・富森助右衛門を演じるのが坂東巳之助丈。史実の人物に比較的年齢の近いふたりが等身大で演じるのが、本公演の見どころです。
あでやかな元禄文化を背景にした濃密な会話劇の最後には、あっと驚くアクションシーンも。気合の入った忠臣蔵ファンも、はじめての忠臣蔵という方も、存分にお楽しみくださいませ。

 

操り三番叟(濱口久仁子)
数ある三番叟物のなかでも華やかで、ひときわ特色のある作品です。幕開きは能の雰囲気を強く残した翁と千歳の厳粛な舞から始まります。後半は一転して賑やかな三番叟の糸操りの踊り。実際にはみえない糸を操り、人形の足拍子も担当する後見。操り人形の心で技巧的な踊りを披露する三番叟、息の合った舞台は歌舞伎舞踊の醍醐味を味わえます。翁と千歳は錦之助と隼人の父子共演。後見は梅丸、三番叟は種之助という浅草歌舞伎ならではの顔合わせです。ご期待ください。


引窓(三浦広平)

秋のお月見の夜、一人の母と二人の子との間に起こるドラマです。一人は実の子、一人は義理の子。母が二人をそう思うように、子もまた母を大切に思いますが、ある出来事によって、三人はそれぞれの立場で板挟みになってしまいます。「引窓の場」と呼ばれる通り、明かりを取るための天窓が、とても効果的に使われる一幕。差し込む月の光が照らすものは…。
昨年、新作「マハーバーラタ戦記」で菊之助のライバル役を見事に演じた尾上松也。自主公演「双蝶会」で吉右衛門の薫陶を受け大役に挑むなど、伸び盛りの中村歌昇。名作に挑む若き二人の熱演は、人が人を思いやる心―その“あたたかさ”が、昔も今も変わらないことを伝えてくれるでありましょう。そんなお芝居の世界へのご案内役は、ぜひイヤホンガイドにお任せください!

京人形(阿部さとみ)
京人形が動き出すという舞踊劇です。人形は美しい女性の姿なのに、作り手の彫刻の名人左甚五郎の心が入ったため、男の動きになってしまいます。そこで甚五郎はどうしたら女らしくなるかと考え…。
バレエ『コッペリア』など、外国にも人形が動き出すお話はありますが、『京人形』の面白さはあるアイテムで人形の動きが女らしくなること。そのアイテムとは一体何でしょう⁉︎そこに日本人の感性が香ります。そして京人形が男っぽく動いたり、急にしとやかになったりと、その演じ分けも見どころ。わかりやすく楽しめる一曲です。

三遊亭楽生のラクショー歌舞伎
歌舞伎・文楽 ミニ知識
イヤホン解説余話
 

 大阪松竹座 坂東玉三郎 初春特別舞踊公演
 1月2日(火)~26日(金)

演目 解説者 開演 終演 幕間
お年賀 口上 2:00 2:10 15
6:00 6:10
元禄花見踊 中川美奈子 2:25 2:45 15
6:25 6:45
秋の色種 3:00 3:25 30
7:00 7:25
鷺娘 市井佳代子 3:55 4:25 15
7:55 8:25
傾城 4:40 5:00  
8:40 9:00
* 5日(金)、12日(金)、19日(金)は6:00開演(それ以外の日は2:00開演)。
* 4日(木)は貸し切り。11日(木)は休演。
* タイムテーブルは予告なく変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
 観どころ・聴きどころ

元禄花見踊(中川美奈子)
春になると、天気予報でも桜前線が報じられるほど、花見の季節を待ちかねる私たち日本人。花見の歴史は古く、遠く平安時代まで遡ることができますが、庶民の楽しみとなったのはこの元禄時代でした。幾枚も着替えの小袖を持参したという、華やかなお花見風俗を描いた舞踊ですが、発表されたのは、実は明治11年のこと。富国強兵をめざした明治の人々にとって、元禄はどんな時代であったのでしょうか。新年にふさわしい、豪華絢爛な舞台をお楽しみくださいませ。

秋の色種(中川美奈子)
『元禄花見踊』と同じ武蔵野を舞台に、こんどはしっとりとした秋の風情をご覧いただきます。これといったストーリーがあるわけではございませんが、四季のめぐりある国に生まれた幸せを味合わせてくれる名曲でございます。玉三郎・壱太郎が描く究極の美の世界を、ご堪能いただきたいと存じます。

 

鷺娘(市井佳代子)
恋の苦しみ、喜び、悩みなど、様々な乙女心を踊っていく名作です。
玉三郎からアドバイスを受けた壱太郎が可憐な鷺の精を披露します。お楽しみに!

傾城(市井佳代子)
ある遊女の日常を、吉原の四季の情景にからませながら描いた作品です。
玉三郎ならではの華やかで艶やかな一幕を、どうぞお見逃しなく!