1977年2月 お祭り
イヤホンガイドの解説者は皆 ”オイソガ氏”ばかり。その中でも特別二重丸つきに忙しいのが早大の先輩竹内さん。新橋の検番の中にある古曲会の事務所にたまたまいる時も、来客と電話の応対。落ち着いて原稿を書く時間もなさそうです。 芸術祭主催公演の審査委員長を務め、これまで芸術祭主催公演のプロデューサー、邦楽演奏会の制作兼相談係(?)、ラジオの邦楽番組の解説、大学の先生、「東おどり」の制作……など頼まれたらイヤと言えない性格らしく、次から次へと忙しく動き廻る。大学を退官されても、野にあっての研究を精力的になさっている。なかなかできることではありません。 日ごろの研鑚から生まれる解説は、邦楽演奏会のプログラムでも、イヤホンガイドでも、学者臭のない門外漢にも納得のゆく実にわかりやすいものであるのも、私の感心するところです。