――サイン?
サインですね。そこが主遣いの難しいところ、そして足遣い左遣いがそこをわからないといけない、ということですね。
――舞台稽古が、合わせるのが二日間だけだというお話がありました。その二日間だけのお稽古で、主遣いは「こう動きたい」という意図があっても、それを左遣いさん足遣いさんに明確に伝えるのは大変ですが、ちゃんと伝えられるものなのですね。
そうですね、僕なんかはまあ、舞台稽古というのはとにかく、初日の前ですので、「もう本番になっている」という気持ちなので…うちの師匠(先代玉男)のときからそうなのですけれど、うちの師匠は舞台稽古のときから、悪いところがあったらすぐに注意して、客席からぱっと注意したくらいで、怒鳴るまではいかないけれども、それくらい舞台稽古のときからうるさく言っていましたのでね。舞台稽古の時には本番どおりにやって、ちゃんとできてないといけないので、その辺はもう、ぴりぴりしてやっていましたね。
撮影:森口新太郎 東京都内にて
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