「青の洞門」に行ってきました!〜博多座六月大歌舞伎『恩讐の彼方に』

『恩讐の彼方に』の舞台「青の洞門」
博多座では六月大歌舞伎を上演中、連日多くのお客様で盛り上がっております。エントランスでくまモンとともにお客様をお迎えするのは、大分県の観光名所・本耶馬渓の巨大な紹介パネル。そして客席1階ロビーにも大分県中津市の観光案内やポスターが。そう、大分県中津市・耶馬溪の「青の洞門」こそが夜の部最初のお芝居『恩讐の彼方に』の舞台なのです。『恩讐の彼方に』大フューチャーの本公演、そういえば、エントランスの素敵な生け花もなんとなく青いトンネルの形…「青の洞門」…に見えますね!感動的なお芝居を観て、舞台の地を実際に見てみたいな、と思った方も多いはず。

エントランスの耶馬溪PRパネル ロビーの中津PRポスター 爽やかな生け花
 
行ってきました!「青の洞門」
ということで、早速「青の洞門」まで行って参りました。博多からまずは大分県中津市の中津駅へ行き、駅前からバスに乗り20分。「青の洞門」バス停の目の前がもう「青の洞門」です。「青の洞門」は江戸時代、禅海という僧が苦節30年余り、手づから掘りすすめて完成したトンネル。禅海は『恩讐の彼方に』に登場する了海のモデルとなった人物です。現在の「青の洞門」トンネルは明治以降に大幅に改修されたものですが、トンネルの両端の地下に以前の洞門の壁面が禅海の掘ったそのままの姿で残されています。ノミの跡の残る壁を触ってみると、こんな硬い岩盤をこつんこつんと削っていったのか…と、その途方もない工程を想像して思わずため息をついてしまいました。それにしても、この大事業を成し遂げた禅海和尚の根気強さ、ぜひとも見習いたいものです!洞門近辺では「道の駅耶馬トピア」内にある「耶馬溪風物館」に禅海の関連資料が展示され、羅漢寺のふもとの「禅海堂」では禅海が実際に使用したノミと槌をみる事ができますので、ぜひ足を延ばしてみてください。

 
「青の洞門」トンネル
 
  当時の堀跡の残る洞門


また、「青の洞門」があるのは、景勝地・本耶馬溪。乱れ立つ岩峰と清らかな渓流のダイナミックな景色が楽しめます。洞門の掘られる以前、このあたりを通行する際は川原を歩いていたのですが、当時の藩が下流に堰をもうけたために水量が増し、川原が水没してしまいました。そのため、ここを歩くには岩肌に道を作り、岩にくくりつけた鎖につかまりながら進まなくてはならず、足を滑らせて転落する人が後をたたなかったそうです。禅海はそれを見聞きして洞門の掘削を思い立ったのですが、確かに、この急峻な岩山はトンネルがなければとても通行できそうにないですね。ちなみに、「青の洞門って青いの?」と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。ずばり、「青の洞門」は青くはありません。「青」というのは洞門開通先の昔の地名とのことで、洞門は江戸時代には「樋田のくりぬき」と呼ばれていたそうです。
対岸から「青の洞門」トンネルを望む
 
イヤホンガイドで『恩讐の彼方に』にさらなる感動を!
今月上演中の『恩讐の彼方に』は菊池寛の同名小説をもとにしたお芝居です。古典の歌舞伎ではないから、イヤホンガイドは要らないかな…と思っているあなた、イヤホンガイドの役割は「わかりやすくする」だけではありません!そこで、『恩讐の彼方に』のイヤホンガイド聴きどころポイントをご紹介します。それは、感動を盛り上げる「ドラマのナレーション効果」。テレビドラマや現代劇にもナレーションが入りますよね。せりふはわかるけれども、ナレーションのあるほうが登場人物の気持ちにより共感できたり、状況がよりよく分かったり。今回のイヤホンガイドはまさにナレーションの役割も果たします。それぞれの登場人物が抱える複雑な心情にぴったり寄り添い、お芝居をより盛り上げること間違いなし。また、原作から削られている部分の補足説明も入りますので、登場人物の置かれている状況や時間の経過がよくわかり、作品の世界をより深く理解できます。”お芝居をよりお楽しみいただくこと”がイヤホンガイドの役割。『恩讐の彼方に』は、イヤホンガイドでさらなる感動を!
 
 
閉じる