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歌舞伎座「七月大歌舞伎」 字幕ガイドスタッフおすすめポイント!
昼の部・夜の部とも、大人気演目の並ぶ当月の歌舞伎座。連日大賑わいです!ご観劇予定の皆様、とてもワクワクにしていらっしゃることでしょう。そんな皆様に、よりお芝居をおたのしみいただけるよう、売場スタッフに字幕ガイドのおすすめポイントを聞いてみました!

昼の部 『夏祭浪花鏡』

Aさんから…
「耳で聞きながら文字で義太夫を見ることができるから、ストーリーがもっとわかります。『たちげにはったとけられても』なんて、聞くだけだとどういう意味か、私には分からなかったんです。『たちげ』ってどういう意味?って。文字で書くと、『立ち蹴にはったと蹴られても』で、一目瞭然なんですよね。
それから、関西弁のセリフで早口で言い争うところがあるんですけど、チラチラ字幕を見ながら聞くと、内容がもっとわかりました。お笑い番組なんかで割と関西弁には慣れてるつもりだったけど、やっぱり言い回しがちょっと違うからかな?昔の関西弁の雰囲気も伝わる気がしますね」

Bさんから…

「セリフの掛け合いとか、立ち回りの間とか、緊張した場面で舞台に集中してるときがあるりますよね。そういうときでも、ふっと疑問に思ったことがあって字幕ガイドを見ると、ちゃんと回答があったりして便利です!簡潔な解説だからパッと見でもわかるし。『作病』って、意味を知ってる人は少ないのでは???」
 
夜の部 『天守物語』
Aさんから…
「泉鏡花らしい美しいセリフが見られて、作品の世界により引き込まれました!文章自体が美しいし、『甘味やの』を『うまやの』、『汚穢やの』を『むさやの』とか、独特の当て字が使われるんですが、字幕ガイドを見ながらお芝居を観るともっとイメージが広がるんですよね。それから、物語は晩秋が舞台で、登場人物たちの名前にも工夫がしてあるんです。どんな工夫か漢字だとよりわかりやすいですよ。作者のこだわりが感じられました」

Bさんから…
「歌舞伎はよく知ってるけど泉鏡花作品には詳しくない、という方は多いんじゃないでしょうか。最初にこの物語の背景を説明しているので、ぜひ見ていただきたいです。
幻想的なお芝居なので、セリフを聞いていると『あれ!?今の聞き間違い!?どういう意味だった!?』というようなことが有ったりしました。その都度字幕ガイドで確認できるのが便利です。セリフは聞き直せないけど、字幕ガイドは一定時間表示してますから!」

…いかがでしたか?

字幕ガイドご利用を検討されている皆様、ぜひ参考にしてくださいね。

字幕ガイド
歌舞伎座でイヤホンガイドに仲間入り!解説員のご紹介

2013年に行われた「イヤホンガイド解説員オーディション」で見事優秀賞を受賞された横出葵さん・奥山久美子さん・濱口久仁子さん。2014年6月は濱口さんが歌舞伎座『六月大歌舞伎』の解説を担当しています。前回に引き続き、濱口さんにも突撃取材!初解説のご感想やこれからの意気込みを伺いました。
*横出さん・奥山さんの取材ページはこの下の記事をご覧ください。

濱口久仁子さん 担当:昼の部『お国山三 春霞歌舞伎草紙』

かつては歌舞伎座で配布されていた『歌舞伎掌本』の原稿執筆を、現在は女流名家舞踊大会などのプログラム執筆や、「近代歌舞伎年表」の製作に携わるなど、幅広く活躍されている濱口さん。
お母様はラジオ東京(現在のTBSラジオ)の一期生アナウンサーとして、劇場中継も担当されていたそうです。芸事がお好きだったお母様の影響で、六歳から坂東流の日本舞踊に親しみ、また歌舞伎をよくご覧になったとのこと。初めての歌舞伎体験はどうだったのでしょう?

「最初に観たのは、東横歌舞伎ですね。今はなくなってしまいましたが、渋谷に東横劇場というところがあったんです。電車が通ると少し響くようなところでしたが、大きすぎず小さすぎず、見やすい劇場でした。その時上演していた演目の中で、初花という役があり、務めていらしたのが玉三郎さん。あまりの美しさにノックアウトされてしまいました!子供のころは歌舞伎好きな友達

としょっちゅう歌舞伎に通っていました。『今日は歌舞伎座行ってくる!』なんて言って、ちょっとませていたかもしれませんね」
そんな濱口さんが、イヤホンガイドのオーディションを目指すようになったのは、自然な流れだったのかもしれません。

「亡くなった母も、『イヤホンガイドの仕事をやった方が良いわよ』と言ってくれていました。私自身、前からやってみたいと思っていましたし、『歌舞伎掌本』の仕事が数年前に終わってしまい、今度はイヤホンガイドで歌舞伎の裾野を広げていきたい、案内役をしてみたい!と思っていました」

解説員の西形さんともお知り合い。今回のオーディション応募についてご相談されたのでしょうか?
「『オーディションの結果が出るまでは、知り合いだって絶対言わないわよ!』と(笑)。先生とは同じ白百合学園に通っていただけでなく、大学時代の恩師も同じなんです。ある時ご挨拶をさせていただいてから、親しくさせていただくようになりました。舞踊大会のプログラムも西形先生の後を受けて引き受けました」



 濱口さん
 

オーディションの結果は、ご存じのとおり優秀賞受賞!今回初解説に臨まれた感想を伺いました。
「舞踊の解説を執筆していたことや、カルチャー教室でビデオを見ながら解説をしたこと、また西形先生がお怪我をされた時、解説を口述筆記したこともあったのですが、そういうことが少し役に立ったのではと思います。
ただイヤホンガイドの場合、説明しているうちにどんどん役者さんが動かれるので、解説の長さやタイミングが難しかったですね。振りが動いていく中での解説と、解説なしで舞台を観てほしいところと、解説の分量も考えなければいけません。それから歌舞伎独特のアクセントも!坂東武者からきているから、日常話すときの『坂東』とはアクセントが違うのは驚きました。
そういったアクセントや解説の量についてはオペレーターさんから聞いて役立てていきました。イヤホンガイドって半分はオペレーターさんの力だなというのは痛切に感じましたね。吹き込んだ後はオペレーターさんの手腕にかかっているわけですから」

今まで培った知識や経験を存分に生かしてくださったのですが、その知識や経験ゆえのご苦労もあったそうです。

「例えば、『水車(みずぐるま)』の振りですが、長唄の詞章の中に水車という言葉が出てきますから、見れば水車の振りって分かると思ってました。でも長唄が聞き取れない方が多くて、そういうことも解説する方がいいんだな、というのは勉強になりました。」

最後に、今後の解説に対する意気込みを伺いました。
「よくカルチャー教室などで、歌舞伎は『世話物など物語の筋があるものはいいけど、踊りはよくわからないんですよね』と言われます。踊りの面白さを伝えることができればいいですね。

それから、歌舞伎の案内役として、解説を楽しく聴いていただけるようになりたいです。西形先生もおっしゃっていましたが、お客様と一緒に観劇している感覚でやっていきたいですね。そのためにはいろいろ勉強して、他の方の解説もお聞きして、踊りだけでなくいろいろな歌舞伎狂言に挑戦していけたらと思っています。」
今回担当された演目について、「私は群舞が好きですが、歌舞伎舞踊にはあまりありません。『歌舞伎草子』は群舞のある珍しい演目です。当代の花形役者もたくさん出演されますし、ぜひお楽しみください」とお話し下さった濱口さん。歌舞伎に対する思い入れがとても印象的でした。踊りだけでなく、様々な演目の解説が聴いてみたくなりますね。


濱口さんをはじめ、三人のオーディション受賞者の活躍にご期待ください!

明治座イヤホンガイドで仲間入り!解説員2名のご紹介
2013年に行われた「イヤホンガイド解説員オーディション」で見事優秀賞を受賞された3名のうち、横出葵さん・奥山久美子さんが、2014年5月明治座『五月花形歌舞伎』の解説を担当しています。今回は、このお二人に突撃取材。お二人のご紹介と初解説のご感想を伺いました。

横出葵さん 担当:昼の部『鳥居前』
まずは、『鳥居前』の解説を担当している横出葵さん。普段はライターの仕事をされているというだけあって、書くことは得意中の得意。普段から気になる演目があれば解説を試作し、研鑽を積まれているそうです。
「歌舞伎って、えっ、何これ、どうして?って思うようなことが本当に多いです。それを調べて、わかって、自分の知識が増えていくのが楽しくて、どんどん作ってしまいます(笑)」
解説の下準備の丹念さは、弊社制作部員が舌を巻くほど。そんな研究熱心な横出さんですが、心がけているのは常に「初心者目線を忘れない」こと。その姿勢はオーディション応募原稿にも表れていました。
「そのときは、歌舞伎を観たことない人、特に学生くらいの若い人たちを自宅に集めて、自分の解説を聞いてもらい、反応を見ながら解説を作りました。初めて歌舞伎を観る人は、何がわからなくて、何を難しく感じるのだろう?と思って。何度も繰り返しお芝居を観ていくうちに、その感覚を忘れてしまうのが怖いです。」
そんな横出さんが歌舞伎と出会ったのは10年前。それまでは新しいもの好きで、歌舞伎なんて堅苦しいと思っていた横出さん。ところが、友人に連れられてしぶしぶ観にいったところ、あまりの楽しさにすっかり歌舞伎好きに。毎月欠かさず観にいくほどになり、次第に初心者の友人を誘うようになりました。
横出さん
録音ブースにて

「初めて歌舞伎を観る人に、『イヤホンガイド』があるよって言うと、皆、安心するんです。それをみていて、私自身もイヤホンガイドの解説をして、歌舞伎のファンをもっと増やしたい、と思ったのが応募のきっかけです」
そして念願かなってイヤホンガイド解説員に。数多くの資料を調べて臨んだ、初めての解説は…
「関西出身なので、録音担当の方にたくさん直していただきました。読み言葉になると、関西のイントネーションが知らず知らずに出てしまうんですね」
また、解説内容は説明したいことが多すぎて、舞台の進行に合わせて削るのが大変だったとのこと。
「言いたいことはたくさんあるけれど、解説が入りすぎることで役者さんの演技をつぶしたくない、舞台稽古を見て強くそう思いました。泣く泣く割愛した解説もありますが、次の機会に生かしていきたいです。」

今回、自分の解説を聞いてくださった歌舞伎初心者のお客様と、一緒に成長をしていきたいと語る横出さん。目標は「50年後も解説員でいること」。溢れるバイタリティで、これからも素敵な解説をしてくれることでしょう!


奥山久美子さん 担当:昼の部『釣女』
つづきましては、『釣女』の解説を担当している奥山久美子さん。普段はピアノの先生をされているという奥山さんと歌舞伎との出会いは?

「義母に連れられて歌舞伎を観にいったのですが、その時に観た『俊寛』に涙が出るほど感動しました」
それ以来、歌舞伎を見はじめたと同時に、もっと歌舞伎について知りたい、と知識を深めていった奥山さん。お義母さまに勧められてより欠かさず使っていたイヤホンガイドで、オーディションの存在を知りました。
「自分で解説を作ることで、台本の一字一句、それに合わせた役者の演技、そして舞台の隅々まで歌舞伎を深く理解できるのではないか、と期待して応募しました」
迎えたオーディションで、見事優秀賞を受賞。今回の担当が決まってからは数々の資料を読み、映像を繰り返し見ながら原稿を作る傍ら、声楽を専門にしている学生時代からの友人とナレーションの練習を重ねました。

奥山さん
録音中の奥山さん

原稿も完成し、録音も順調に終了。しかしいざ、自分の解説を試聴しながら舞台稽古を見ると…
「結局、録音したすべての解説を録り直しました。染五郎さんがとても上品に演じられていたのに、私の解説は元気がよすぎて、トーンが合わなかったのです」
舞台のテンポも想像していたより速く、場面展開に収まりきらない解説も多々ありました。それを受けて、舞台の雰囲気をこわさないよう、お芝居の流れをイメージしながら解説を再収録。結果、舞台のテンポにおさまり、狂言舞踊に相応しい柔らかな解説が完成しました。
初めての解説作り、いかがでしたか?

「大変でしたが、『ひとつひとつの「ことば」を考える』という作業はとても楽しかったです。同じ意味でも、「かわいい」と「かわいらしい」ではニュアンスが違いますね。どの「ことば」を選べばぴったりなのだろう、どのように文章に入れたら伝わるだろう、とじっくり考えることができたのは本当に有意義でした」

 

そんな奥山さんが目指すのは、「いかにも『解説しています』というのではなく、自然に耳に入ってくるような、演目と一体化した解説」、そして「役者の特徴や個性に合った解説」なのだそう。これからも「ことば」と「雰囲気」を大切にした解説、期待しています!

今月仲間入りした2人の解説員、これからの活躍が楽しみですね!ご声援のほど、よろしくお願い申し上げます。
 
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