なんとこの絵番付、江戸時代から続くお芝居の文化なんです。その昔は「辻番付」と言って、街頭に貼られていた公演ポスターのようなものでした。今ではあまり見なくなりましたが、御園座は唯一この文化を残し、顔見世公演のたびに新しい絵番付を作られています。
御園座の方にお話を伺ったところ、この絵番付、かいているのは二人の職人さんだそうです。
お一人は鈴木文字亭さん。お名前から察するとおり文字を書かれています。歌舞伎にはなくてはならない「勘亭流」という書体で全体の雰囲気をびしっと粋に決めております。
そしてもうお一人が穂束宣尚さんです。この方、お父様が穂束とよ國さんとおっしゃって、代々歌舞伎絵師の家系です。宣尚さんはここ数年、そのお父様と合作で芝居絵を描いてこられたのですが、今年の7月8日にとよ國さんが亡くなられました。大変残念なお知らせでした。最後の作品は7月の大阪松竹座の公演の芝居絵で、最期の最期まで絵を描いておられたとのことです。
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