『伊勢音頭恋寝刃』
(いせおんどこいのねたば)
二見ヶ浦、太々講など、伊勢の情緒を盛り込んだ夏狂言の代表作。
恋人貢を思う遊女お紺の機転があだとなり、貢の万座の中の殺害事件という思わぬ惨劇に発展します。
この物語、伊勢で起こった実際の事件を三日間で脚色・大阪で上演したものといわれています。 夏らしい風物と衣裳、そして伊勢音頭をバックにくりひろげられる殺し場は、いわば殺しの美学を堪能させてくれる場面。
歌舞伎って陰惨な殺人事件まで美しい見どころにしてしまうのだから、おもしろい!