『外郎売』
(ういろううり) 
くまどりん
創演:享保(きょうほ)三年(1718)

外郎(ういろう)は中国から帰化した人が、薬屋を開いて作り伝えてきた丸薬です。タンを切り、口臭を消し、気分がスッキリする!小田原市内に今もある有名な薬屋さんの登録商標で、この店の看板商品です。なお、名古屋名物の「ういろう」は米粉を蒸して作った甘いお菓子、両者は違います。
余談ですが薬といえば、奈良県高取の壺坂寺の門前では「沢市目薬(さわいちめぐすり)」が売られていますし、「助六」で揚巻が花道で飲む「袖の梅(そでのうめ)」も、吉原の名物酔い覚ましの薬。
という具合で、芝居と薬の縁はかなり深く、「だからヤク者と言う」と江戸時代の洒落本にもあります。
芝居の「外郎売」は曾我五郎が薬を売る口上の早口言葉がお楽しみ。俳優養成所やアナウンサーの養成の教材として使われます。
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