『播州皿屋敷』
(ばんしゅうさらやしき)
くまどりん
お家(いえ)の大切な皿を割ったことで井戸に身投げしたお菊(おきく)の伝説を元にした浄瑠璃(じょうるり)や歌舞伎は「皿屋敷もの」といわれます。 そのうちもっとも早く歌舞伎化されたのがこの『播州皿屋敷』です。
悪家老、浅山鉄山(あさやまてっさん)はお家横領の企みをお菊に知られ、その上、かねてからの横恋慕(よこれんぼ)が叶わぬ(かなわぬ)腹いせに、お家の大切な皿紛失の罪をなすりつけたあげく、井戸に吊して、惨殺してしまいます。 お菊は亡霊となって・・・という狂言(きょうげん)です。
美しい腰元(こしもと)が、いじめ抜かれた末に亡霊となる姿が、幕末期の極彩色(ごくさいしき)の地獄絵や絵草紙(えぞうし)を見るような不健全な美しさで展開します。
参考 ⇒『番町皿屋敷』(ばんちょうさらやしき)へ 
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