通称:鞘当(さやあて)
創演:延宝(えんぽう)八年(1680)
今でも言われる「恋のさやあて」という言葉の語源がこのお芝居です。
不破伴左衛門(ふわばんざえもん)と名古屋山三(なごやさんざ)の鞘当(さやあて)。
鞘当とは武士同士がすれ違う時に刀の鞘を相手の鞘に当てたことから起こる喧嘩の事。
関白家の宝刀を詮索する荒くれ男の伴左衛門と、やさ男の山三。
そこに傾城(けいせい:お殿様のお城が経済的にも精神的にも傾くほど貢ぎたくなるいい女)葛城(かつらぎ)がからんでの三角関係のストーリー。
これって『鞘当(さやあて)』って演目のストーリーと同じじゃん!?
そう!同じです。
二人の喧嘩を止めるのが「留め女(とめおんな)」あるいは「留め男(とめおとこ)」で、これがまたカッコイイ!
丹前六方(たんぜんろっぽう:当時流行した江戸前な粋な歩き方)があなたの目の前に再現します!
最初は深編笠(ふかあみがさ:顔が見えないように深々と首まで隠せる笠。ちょっと怪しい雰囲気)の二人。
わけありのカッコイイせりふ。
すれ違いざま刀の鞘があたって、喧嘩・・・こりゃ大変と留めにはいる粋な女(or
粋な男)・・・
単純なストーリーですが、観れば観るほど味が出る演目です。
桜満開の江戸一番の繁華街(ナイトスポット)がまた魅力的! |