本名題:『春興鏡獅子』(しゅんきょうかがみじし)
可憐に舞った乙女が一転、勇壮な獅子になって現れるという舞踊です。
前半は小姓・弥生(やよい)の可憐で艶やかな所作(しょさ)、後半は対照的に獅子の精になってからの男性的な猛々しさ。 一人の演者が、いかにコントラストのきいた踊りをわけて見せてくれるか、この踊りの見どころです。
制作は意外に古くなく、明治中期。
もとになった「枕獅子」の廓趣味を、上品な女小姓と能形式にかえたもの。
『・・獅子』という題名の狂言舞踊がたくさんありますが、その代表作のひとつです。
歴代の俳優の工夫が凝縮された逸品 |