『京鹿子娘道成寺』は恋しい男を追って、蛇になったという清姫の伝説をもとにした能の「道成寺」を、歌舞伎風に舞踊化したもの。
桜満開の紀州道成寺では、蛇体の清姫に巻かれたために壊れてしまった鐘が再建し、その供養が始まるところ。
そこへ花子(実は清姫の怨霊)が現われ、女の様々の様相を踊ります。
道行(みちゆき)、手踊(ておどり)、鞠唄(まりうた)、花笠踊(はながさおどり)、口説(くどき)、山尽くし(やまづくし)、鈴太鼓(すずだいこ)、鐘入り(かねいり)と続きます。
各段ごとの曲や振りの変化が、おもしろく、特に「口説」は女心をしっとりと訴えたくだりで、伴奏の長唄とともに、全編のハイライト。
内容に応じ、衣裳をかえます。
例えば後見(こうけん)がしかけの糸を引き抜くと、帯を境に衣裳が上下に分かれ、それをパッと取り外して、一瞬にして下に着ていた衣裳になるなど・・・・
歌舞伎舞踊最高の華やかさ。 |