座談会 こぼれ話

社員目線で40周年を振り返った座談会企画。
あまりの白熱ぶりに誌面におさまったのはごく一部でした。貴重な「こぼれ話」をここで公開します!!

 

【参加社員紹介】


◆兼松(兼) 1978年入社
◆佐藤(佐) 1983年入社
◆安川(安) 1998年入社
◆絹巻(絹) 2006年入社
◆筑井(筑) 2014年入社

 

 

 

イヤホンガイド面白入社エピソード

イヤホンガイドの社員の入社のきっかけは十人十色です。もともと歌舞伎の大ファンだったという人も、気づいたら入っていたという人も。その中でも特に個性的なのが佐藤・総務部長(1983年入社)。

佐: もともと趣味で凧をつくっていて。風で空にあげるやつね。あげて見栄えのする絵を探していると、やっぱり純和風の絵に思いが至ったんです。それなら歌舞伎の絵はいいんじゃないかと思って、一度観ようと。そのタイミングでうちの会社のチラシを見たのがきっかけです。
兼: そのころからチラシの名前は『耳で観る』だったんだよね。
佐: 入社面接でおもしろかったのは、「野球はできますか?」という質問があったこと。その頃、会社の野球チームで「イヤホンガイド・ノイズ」というチームがあって、そこに引き込もうとしてたんでしょうね(笑)
一同: ノイズってひどい名前ですね(笑)

 


 

解説テープの音声が消えちゃった・・・?!

今はデジタルで同時解説の録音・編集・放送を行っておりますが、昔はテープを切り貼りして放送まで行っていました(詳しくは誌面参照)。その当時、解説テープの音声が本番直前に消えるという大事件が・・・

絹: オープンリールでの録音時代は、大本のテープ(マスターテープ)がなくなっちゃうなんてことはなかったんですか?
兼: そういう事故はなかったね。
佐: 音が消える、なんてことはあったけど。
一同: え!?
佐: それも全部消えてしまって、なにかの呪いじゃないかって(笑)
バリ島の演劇に解説をつけたときでした。録音をして、編集をして、全部出来た、となったんですが、本番前に一度チェックをしたら、何も音がしない。
一同: ・・・
佐: ただ、もちろん呪いとかじゃなくて、近くに、イレイサーマシンというのがあったんですよ(笑) それにテープを通すと、全部磁気が並べなおされて、音声が全て消えちゃうという。それが動いてたんじゃないかという噂です。
筑: それで、どうしたんですか?
佐: 生放送したんです。
絹: 誰がしゃべったんですか?
佐: そこは私が(笑)。その時は、生放送の方がおもしろいんじゃないか、っていう話にもなっちゃって。
兼: テレビにも出たことあるもんね。
佐: 他にしゃべる人がいない、というので(笑) それもバリ島の伝統演劇の特集をやる、という番組だったので、映像を見ながら一くさりしゃべったなんてことがありました。
絹: テレビ出演の発端は、テープがなくなるという事故だったわけですね(笑)

 


 

上方の同時解説を支える関西支社

イヤホンガイドは日本に二つの拠点を持っています。一つは東京の本社、そしてもう一つが大阪の関西支社です。関西支社の社員も上方の芸能を影から支えるべく奮闘しています。

筑: 関西支社の発足当時の状況を教えて下さい。
安: 1997年に松竹座が建つ、ということで、それに備えて1996年に関西支社もつくられたんですよね。
兼: 南座と、国立文楽劇場もあって、拠点が3つできるなら、ということでした。
安: でも私が入った頃は、あまりまだ公演も少なかったですね。でも、その入社の年の12月に仁左衛門襲名の顔見世が南座であって、その時にイヤホンがすごい出たんです。それで行列ができたために松竹の永山会長が監事室から出られなくなってしまった(笑)。そんなこんなで、外売りを始めたり、貸出場所が今の位置に移動にもなったんです。
絹: 昔は場所が違ったんですね。
安: その前は案内所の横でした。

 


 

「イヤホンガイドがあったなら借りればよかった・・・」が一番悲しい・・

誌面の座談会ページでは、解説づくりの話が主でしたが、その解説をお客様に届けるための告知・営業活動にも尽力してきました。

佐: 昔は目の前のお客様にとにかく一生懸命アピールしていたけど、そこは変わってきた。今ではもっと視野をひろくもってお客様の動きを研究して、劇場に来る前に一度存在を知ってもらうように工夫をしています。チラシとかネットとかでの告知などにも力を入れていますし、そういう意味では営業面も変化してきていると思います。
安: 昔は、けっこうお客様に怒られましたもんね。「こんなものがあったなんて知らなかったわよ。なんでもっと宣伝しないの!!」って。
絹: 終演後に「なんだあったのか、借りればよかった」って言われるのが一番悲しいですよね。なるべくお客様に事前に気づいていただいて、歌舞伎初心者の方にも「イヤホンガイドがあるなら歌舞伎行ってみようかな」となればいいですね。
筑: その点は重く受け止めなければいけませんね。これからも精進をして、宣伝をしっかり打っていきたいと思います。