犬もお参り
伊勢参りのために、多くは、仲間で費用を積み立て、抽選で順番に行く「伊勢講(いせこう)」に参加しました。抽選に当たっても、病気などの事情で行けないとなると、犬を代わりにやる「犬の代参」というのもあったとか。また無性に行きたくて、親や主人に内緒で出かけてしまう「抜け参り」も流行りました。
ツーリスト兼ツアコン
なお伊勢参りのいっさいを世話するのが「御師(おんし)」と呼ばれた神宮の下級の神官です。彼らは全国を廻って伊勢神宮のお札を配るとともに伊勢講の予約を取り、参拝手続や宿泊、廓の手配、案内もしました。今の旅行代理店やツアーコンダクターに当たると言えます。
『伊勢音頭…』の主人公、福岡貢(みつぎ)はその御師です。
夢の旅行をシミュレート
伊勢はまた、今もそうですが、海産物が豊富で食べ物もおいしかった。このお芝居は、そんな“ 夢の伊勢旅行 ”を疑似体験したり、行った人は思い出すことができ、それが魅力のひとつでもあったのでしょう。 |