生命力
竹は成長が速く、勢いがあることから、松・梅とともにめでたいものとされています。
正月十日に西宮神社、今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)などで行われる十日戎(とおかえびす)では、笹に小判、戎の面、がんじき(熊手)など種々の宝物を吊るした福笹(ふくざさ)が家運隆昌・商売繁盛の縁起物として売られています。このようにタケ類が祭られるようになったのは、神代の昔、天の岩戸に隠れてしまった天照大神(あまてらすおおみかみ;太陽を神格化。皇室の祖。)が再び外に出てくるようにと願いを込めて、天鈿女命(あめのうずめのみこと;芸能の女神。日本最古の踊り子。)が小竹(笹)を手に踊って以来と言われます。ここで竹(笹)が選ばれたのも、竹が急激に成長し、年中色を変えないことから、青春・生命力の象徴と考えられたからなのでしょう。
こうした竹の生命力を連想させるものには『竹取物語(かぐや姫のはなし)』もあります。
以上で見てきましたように竹・笹は様々な神秘的な力を持っているのです。 |