『本朝廿四孝』
(ほんちょうにじゅうしこう)
くまどりん
川中島の合戦でも名高い戦国時代のライバル・武田信玄と上杉(長尾)謙信のたたかいが、題材。 大長編ですが、お話がやたら入りくんでいるので、近年は、謙信の娘・八重垣姫のあつーい恋ごころを描いたくだりだけが、上演されることがほとんどです。(『十種香』の場)
先年、国立劇場で、全編通しで上演されたとき、二十二年ぶりに『筍堀り』(たけのこほり)の通称がついた場面がでました。 中国の故事に、親思いの兄弟が、雪深い山中で竹の子を必死に堀あてて、病気の母に食べさせてやるお話です。 この種の親孝行のエピソードを二十四あつめて、中国では「二十四孝」と呼んで昔から語りついできています。
それをふまえた題名がこの本名題。 今ならカンヅメの竹の子が、一年中出回っていますから、いつでも食べさせてあげることができるのですが。(中国産のものも多いようで・・・)
雪の中の兄弟・・・このお芝居にも登場しますが、兄の横蔵は武田方、弟の慈悲蔵は長尾方、と、こちらは中国とちがって波乱ぶくみです。
 ⇒『十種香』(じゅしゅこう)へ
閉じる