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本名題:『本朝廿四孝』(ほんちょうにじゅうしこう) 上杉謙信の娘、八重垣姫が、父を裏切ることも辞さないほどの情熱的な恋心を見せる舞台。 武田勝頼と八重垣姫は両家の不和を解消するという政略から婚約したのですが、それでも姫はひたすら未来の夫を慕っていました。 やがて姫のもとへ「勝頼は切腹しました」と悲報が届きます。 ところが実は勝頼は生きていて、花作り(庭師)蓑作となって、上杉家へ入り込んでいたのです。 姫が勝頼の絵姿に香をたいて回向していると、絵姿そっくりの蓑作が現れて・・・。 歌舞伎のお姫さまでいちばんの大役・八重垣姫の積極果敢な恋のアタックの一幕。 作品の背景は、大河ドラマでもおなじみの戦国のライバル対決・武田信玄と上杉謙信のたたかいです。 そこに、作者・近松半二が、「そんなのありー?!」と言いたくなるような虚構をいっぱい盛り込んで、長大なドラマを完成させました。 ただし・・・半二さん、ちょっと凝りすぎたんですね。 たとえば武田/上杉両家の対立は、実はカモフラージュで、天下乗っ取りを企む悪人・斎藤道三を退治するための作戦だった・・・・ 不仲と見せかけてウラでは協力して、道三の目をごまかすわけですが・・・・ こんな重要なことを、全編の最後の最後でしか明かさないので、道三はおろか観客にも、さっぱりわけがわからない。 『本朝廿四孝』は歌舞伎のなかでも難解・複雑なお話しの代表例となってしまったのです。 なので、ストーリー全体から見れば枝葉の部分にすぎないけれど、とにかく見た感じが美しくて、お姫さまが可愛くて、相手の若武者もハンサムで・・・・ まぁ細かい理屈は抜きで楽しんで下さいと、この『十種香』の場面を単独で上演するようになったんですね。 謙信の娘・八重垣姫と、信玄の息子・勝頼の恋の行方はいかに? ⇒『本朝廿四孝』(ほんちょうにじゅうしこう)へ 参考:⇒「重いお姫様」へ |
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