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「道成寺物」(どうじょうじもの)と呼ばれる舞踊の一つ。 「道成寺物」は、紀州道成寺に伝わるお話を元にした「道成寺伝説」の後日談を舞踊にした歌舞伎舞踊の大曲です。 「道成寺物」の代表作といえば、『京鹿子娘道成寺』(きょうがのこむすめどうじょうじ)が有名です。 歌舞伎舞踊の名作中の名作、大曲中の大曲で、白拍子(しらびょうし:女性の舞師のこと)花子(はなこ)が一人で踊り舞います。 そして、その大曲をいろいろな趣向で踊る「ナントカ道成寺」がたくさんあります。 『男女道成寺』では、美しい女性一人で踊る『京鹿子娘道成寺』と同じ曲を、二人の役者で踊り舞います。 しかも女方(おんながた)ではなく、花形の立役(たちやく:男役)の役者にも演じさせたいという願いから生まれました。 というわけで、登場人物は、白拍子花子(しらびょうしはなこ)と白拍子桜子実は狂言師左近(しらびょうしさくらこ じつは きょうげんしさこん)の二人の踊り手がクレジットされます。 紀州道成寺の鐘供養(かねくよう)の日に、二人の白拍子が現れて、踊りはじめます。 最初の荘重な舞いのさなか、ふとしたはずみで、桜子が実は男であることがバレてしまう、というおもしろさ。 これが狂言師左近という男。 「狂言師ならさぞ楽しくうまく踊るであろう!」と、寺の所化(しょけ:坊主)たちも、踊りを望むので、花子と左近は、代わるがわるあるいはいっしょに踊ることとなります。 女形(おんながた)一人で踊る名曲を、立役と分けて踊るおもしろさ! ⇒参照:『京鹿子娘道成寺』(きょうかのこむすめどうじょうじ) |
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